樺太記念碑(標高190m)
 <2007.5.5> =このページは北の探歩訪のページの抜粋です=

 ポイント
 小樽市街を一望できるスポットとして有名な旭展望台の駐車場の片隅に、片思いで恋焦がれている男の様に、樺太を何時までも見つめながら佇んでいる記念碑がある。

 アクセス
 小樽商大の地獄坂付近から旭展望台を目指す。
 国土地理院地図   周辺地図
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樺太記念碑 碑文 有志の名前
 旭展望台の駐車場に向って横を向いている石碑がある。その石碑は「樺太記念碑」で、向いている方向は紛れも無く樺太(サハリン)だ。何故、横を向いて立っているか理解できない人も多いかもしれない。樺太自体知らない人もいるだろう。
 樺太は、大日本帝国と日本国の狭間で消えた北辺の地なのだ。この地「樺太」を故郷とする人達がいる。愛棒も樺太を追われた一人なので、記念碑に書かれた文字に見入る。もう62年になろうとしている歳月を風化させまいと立っている記念碑なのだ。記念碑に書かれている内容は次のとおりだが、読み違いもあるかもしれない。
 樺太記念碑
 樺太を思ふ
 かって日本最北端開発の雄図を抱いて樺太に渡り 風雪難苦に耐えながら
 北辺の理想郷を造り上げた我らの父祖 更には彼の地に生を享け かけが
 えの無い郷土とする数多くの同胞 且つ又業を興した産業の発展に寄与した
 幾多の企業にとって 樺太は永遠に忘れることができない
 引揚げ以来すでに二十有余年を経てなお望郷の思い止み難く 今は全国に
 別れ住む樺太関係者が力を合わせて 此のゆかりの深い小樽の丘に 樺太を
 偲ぶ記念の碑を建立して 後世に遺そうとするものである

  昭和四十八年九月十二日
  樺太記念碑建立期成会会長 荒井 治作
  題字揮毫者北海道知事    堂垣内 尚弘
  国境標揮毫者衆議院議員   箕輪 登
  同       小樽市長    板垣 祐
  碑文揮毫者           板橋 春翠 
 見えない樺太を見ようと、旭展望台に向かうと、平磯岬方向に夕日が当って綺麗だった。展望台には若いカップルが多く、幸せそうに見える。
 愚かな戦争は国内外の人々に悲しみだけを残して、風化して行くのだろうか。小樽港を機銃掃射するグラマン戦闘機の機影は見たくもない(平成19年5月5日)。
旭展望台の看板 遥か樺太の幻影を
下赤岩山  手宮公園  茅柴岬 北(赤)防波堤        南(白)防波堤    平磯岬
高島   色内埠頭     第3 第2 第1埠頭    中央埠頭 勝内埠頭